いやはや、毎度の如く月末になると行進がぱたりと止まってしまいますね。

…なんで人事みたいに書いてるんだ、俺。


 さてさて、末端社員にはあまり実感がないものの、日本の景気は確実に回復していると言われております。

日本は基本的に加工大国なので、輸出が堅調でないと経済的に大きな成長は見込みにくい国です。

米国の好景気に引っ張られて景気が上向いているという事はよく語られていたわけですが、米国の景気が足踏みした場合にでもきちんと成長を続けられるのかが一つの懸念になります。

そんな時にモノを言うのが経済的な底力、要は経済競争力ですね。


 その経済競争力について興味深い調査結果 が出ております。

この調査結果を見る限りでは、まずまず良い位置につけているようです。

調査結果はあくまで一つの指標にしかなりませんが、この調子で行くともうすこし「好景気」は続きそうな予感です。

できれば末端社員までその好景気の恩恵が行きわたる位までは堅調に頑張ってほしいものですねー。


 安倍氏の総裁選勝利が国内ニュースではトップですが、国際的な関心事と言えば総裁選と同日起こったタイでの軍事クーデター です。

タクシン首相への政治的不信に端を発したクーデターですが、タイ国民の尊敬を集めるプミポン国王 のお墨付き(?)もあるようで、国民生活一般にそう大きな動揺はない模様です。

民主的ではない政権転覆に対して、諸外国は多少不安の目を向けているようですが、こればかりは今後どのように事態が動いていくかある程度静観する他はなさそうです。

今回の動きにしても、TVの報道を見る限りではタイ国民もクーデターに好意的であるようですし、軍も長期にわたり軍政を敷く気はないと明言しています。

変に介入して内政干渉といわれるのも困りますしね。


 しかし、こんな時いつも判断に困ると言うか、考えてしまうことがあります。

民主国家において国民の支持があって軍事クーデターが起こった場合、「民主的」という事になるか否か、ということです。

民主主義の根本は「国民主権」に行きつきますが、主権者である国民がクーデターによる政権交代劇を支持することは概念上は非常に「民主的」ではあるものの、手続き上は「非民主的」な行為です。

「非民主的」な行為で権力を得た国民の支持を受けた(=「民主的」な政権)政府に統治された国家は民主主義国家といえるのでしょうか。

おそらく結論から言うとNoになります。

それが認められてしまうと、極端な話、かなり露骨な反対勢力弾圧を行ったとはいえ、それなりに国民の支持を得て政権を握ったヒトラー統治下の第3帝国も独裁国家ではなく民主国家になってしまいますからね。

注:ヒトラーの首相就任は、多分に政治的取引の要素が強かったが、正式に議会から大統領に要請されたものである。

  大統領への就任も、ヒンデンブルク大統領の死を受けた国民投票による結果である。


 それでも理屈としては、民意を反映している以上は「民主的な政権」になってしまいます。

「議会制民主主義」の枠からは当然はみ出しますけれどね。

なんだか自分で書いててワケが分からなくなってきました(笑)が、要は国民からNoを突きつけられたタクシン首相と、国民と国王の支持がある今回のクーデター政権、国際社会は一体どちらを正統なタイ政府と認めるのかということなんですよ。


 上記のような流れで考えると、名目と実質の一体どちらを正統とするのか各国の反応が非常に楽しみだったりしませんか?


 転寝していたらいつの間にか日付が変わってしまっていました。

さて、昨日行われた自民党の総裁選ですが、下馬評通り安倍氏が見事自民党総裁の座を射止めました

個人的には、総裁選期間中の討論などから麻生支持に鞍替えしていたのでちょっぴり残念な結果だったり。

何はともあれ、土下座外交に逆戻りしそうな谷垣氏ではなかった結果には一安心です。


 さて、安倍氏が当面の重要内政課題として掲げているのが「教育基本法改正」です。

少し前に、些細な文言の内容で騒がれた「愛国心教育」云々というやつですね。

あの騒ぎの結果、確か「国を愛し、郷土を愛する心」という言葉に置き換わったような記憶があります。

他にも「教員免許の更新」など、色々と考えている事は多そうな印象を受けます。

年寄り臭い言い草ですが、最近の若者の街頭インタビューを見る限りでは「知識や国際意識の無い若者」が非常に多いように見受けられます。

いわゆる「最近の若い奴らは」ってやつですね。


 中国との関係改善も重要ですが、将来この国を担う若者達をしっかりと育てていく教育ができる方向に改正して欲しいものです。

もっとも、学級崩壊などがすすむ背景には、家庭でのしつけがまともにされていない子供が多いと言う側面もありますので、法を改正したから急にどうこうなる問題でもないんですよね。

それでも国家百年の大計の柱となる人材育成を無視するわけにもいきません。

物事は最初の一歩が肝要です。

全体的な教育の質の向上にはまだまだ地道な努力と膨大な時間がかかるでしょうが、今後の改正議論の行方を注視したいと思います。

 先日、イスラム教を敵視する発言をしてしまったローマ教皇が、イスラム界からの強烈な反発を受けて遺憾の意を表明 したとの事です。


 ま、意図はどうであれ、発言だけを聞くとまた十字軍でも起こすつもりなのかとも取れるような内容なので、配慮が足りなかったと言わざるを得ませんよね。

ちなみに、発言を引用されたマヌエル2世パレオロゴスとはこんな人 です。

ティムールに敗れたとはいえ、「雷帝」とまで呼ばれたバヤジットと同世代人ですよ。

イスラム対する発言がきつい物になっても仕方が無いといえば仕方が無いのですが、敢えてなぜこの人の発言を引用する必要があったのでしょうか。

法王の発言の文脈がわからないので断定的な事は言えませんが、なんとも不味い発言を引用してしまったものです。


 なんせローマ法王といえばカトリックの最高峰にして、バチカン市国の元首でもあるわけです。

そんな立場の人が「イスラム教は邪悪だと言った」と解釈されてしまうような発言をしたんですよ。

イスラム教を国教とする国にとっては、国の精神的支柱を「邪悪」と呼ばれたも同然です。

外交官を引き上げたモロッコなどまだマシで、下手をすればイラン辺りから宣戦布告されても文句は言えないかもしれません。

他国を平気で邪悪扱いするような真似をするのは、隣の半島国家の首班だけで十分です。

今後は法王には発言に気を遣ってもらいたいものですね。

 オウム真理教の教祖である松本智津夫の死刑が本日確定 しました。

地下鉄サリン事件からもう何年たったことか…

遺族の皆様にとって、「終わり」には程遠いでしょうが、ひとつの区切りにはなったのではないでしょうか。


 オウムの一例だけで宗教の存在を危険視する事はまかりなりませんが、扱いがデリケートな代物であることには変わりません。

信仰とはその人の心の柱ともなるべきものですから、理屈でそう簡単に変わるものでもないでしょうし、極端な教義の宗教が幅を利かせないことをひたすら祈るばかりです。